恐怖、暴力、ショックなどを経験し、肉体的、精神的にダメージを負った際に、PTSD(心的外傷後ストレス障害を発症します。
最近でもありませんが、トラウマという言葉が世間に出てくるようになり、一度は聞いたことがある言葉かもしれません。
何カ月経過しても、恐い体験を思い出し、緊張、不安が続き、眠れない、頭痛がする、体が強張る、めまいや頭痛がするなどの、身体症状が出てきます。
あまり縁のないものと思われるかもしれませんが、身近にPTSDを発症することが溢れています。
例えば、先日引退を発表したプロゴルファーの宮里藍選手、引退理由を聞くと、肉体的な衰えではなく、精神的にきつかったことを挙げられていました。
調子がいいときに試合に勝てない。結果が出ない。
得意のパットが入らないことで、イップスになったとおっしゃっていました。
イップス
精神的な原因などにより、スポーツ動作に支障をきたし、今まで当たり前に出来ていたプレーができなくなる運動障害のことをいいます。下のリンクを参考にしてください。
宮里藍選手Numberの記事
元日本ハムファイターズ岩本勉選手の記事
PTSDとまではいきませんが、精神的なダメージ、プレッシャーなどを繰り返すことにより、肉体的な異常につながります。
私たち鍼灸院でも、珍しくないものです。来院される患者さんがPTSDのようなダメージをおっている方もいらっしゃいます。
例えば、
原因のわからない痛み
慢性的に続く痛み
事故
手術
医療過誤(刺鍼事故、手術の失敗など)
これらを経験している。
これらを経験すると、その後の様々なことにも直面します。
原因のわからない痛み
医療機関で色々な検査を受けても原因がわからない。患者が痛いと言っているのに、所見が出ないので相手にされない。痛いと言っているのに、「気のせいですよ。」と言われる。「気持ちの問題ですよ」「精神的なものですよ」と言われる。周りの人に「仮病じゃない」と言われたり、家族や友人にも理解してもらえなくなる。
病院をたらいまわし、色々な治療院、民間療法を渡り歩くなどして、もとの痛みが何かわからなくなる。
慢性的に続く痛み
原因のわからない痛みとリンクする部分ですが、持続的に続く痛みによる苦痛、医療機関での対応不備、治療しても治らないもどかしさ、永遠に続くのかもしれないという絶望感、治療にかかる時間やお金、労力に対するストレス。
事故
事故の相手がまともな人間でないと、事故後の対応不備、こちらが悪くないのに相手が嘘をついたり、逆切れする。治療にかかる時間、事故の痛みでの生活の苦痛、よくわからない相手のせいでひどい思いをしているといういらだちや腹立たしさ。人生を台無しにされたというショック。医療機関の対応不備。捻挫やむち打ちなので、検査による所見がないため、なかなか理解してもらえない。
手術、医療過誤
大きな手術をして症状に変化が出なかった場合、手術に失敗があった場合に、今までの痛みから解放されるという期待があるのでショックが何倍にもなって返ってくる。或いは、それらが起こった時に対応に不備があると、さらにショックが加わります。失敗してひどくなってるのに、医療機関側の不手際を認めてくれない。素っ気なくあしらわれる。
これらは、肉体的にダメージを負わされ、さらに精神的にもダメージが加わります。さらに大変なのは、継続して肉体的に痛み、つらさがあること、こんなはずじゃなかったという相手への憎しみや苛立ちが継続して続くことで、症状を悪化させ慢性化させてしまいます。
こいったことによりPTSDとなり、精神的にも肉体的にもダメージをおってしまいます。
そうすると、肉体的な治療だけをやっていても中々変化が出ません。患者さん自身も私はこれだけ悪いから治らないんだと思い込んでしまいます。何をしても治らないもどかしさ、絶望感は相当なものです。
それらを理解して、相手の痛みに寄り添って治療をする。
これも中々大変です。なぜ重症化しているのかというメカニズムを説明をしても、受け入れてもらえなかったり、精神的に病んでいると指摘されていると思い込んでしまい、話しを聞き入れてくれなくなる場合があります。
鍼灸院では、話をする時間、聞く時間を長くもてるので、患者さんの深い部分を知ることができます。肉体的な痛みを取りつつ、そういった患者さんの内なる部分に少しでも寄り添えることができれば、治療の方向性がプラスに上向いていきます。
どうやって、治療を組み立てていくかは、また次回に書こうと思います。
大阪吹田-江坂駅の鍼灸院
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