2017年5月12日金曜日

視るちから、聞くちから

先日、町の自転車屋に行った時の話です。

個人でやっている自転車屋さんで、おじいちゃんが切り盛りしているお店です。店の中のパーツなんかをみると、かなり本格的な感じです。


15年以上乗っている自転車がボロボロになってきて、後ろのホイールがぶれるようになってきました。さすがに普段使いにはしていなくて、現在は専ら雨用として使ってます。気に入っているのでなかなか捨てれません。

後輪のハブの部分にガタがきているので、交換が必要かと思っていたのですが、換えるとそれなりにお値段がするので、悩ましいところなんです。

みるとハブのワッシャーが外れているので、これをつければなんとかなるんじゃないかと思って、自転車屋さんにいったんです。自分でやってみたんですけど、すぐ外れるんですよね。

「後輪のワッシャーが外れているんですけど、これって何とかなりますか?」

「自転車は車やからね。ちゃんと点検してやらないといかんよ。うちは、そのへんのプラモデル屋とは違うからね。」ボロボロの自転車をみて、呆れた感じです。プラモデル屋とは、あちこちにある大きな自転車屋さんのことのようです。

「調整したら走れるようになるよ。」

「走れてはいるんでいいんですけど、このワッシャーはなんとかなりますか?」

「それはわかっている、走れるというのはしっかりとね。チェーンがたるんでいるね。しっかり張っておかないと。」

「はいそれは知っているんですけど、そのワッシャーは?」

工具で、色々やっているがワッシャーはなんとかならないようです。

「はいこれでOK。ちゃんと走れるようになったから。」

「あのこのワッシャーは何とかならないんですか?」

「これは、ハブをばらさないといけない。全部とらないといけないから結構かかるよ。」

「…。」

ボロボロの自転車を持って行っているこっちも悪いのですが、ワッシャー以外の症状は知ってるし、ばらさないでなんとかしてくれるかを聞いていたんですけどね。うまいこと伝わりません。

このご時世、色々なことがネットにあふれかえっています。もちろん間違った情報もありますが、ある程度のことはわかります。

お客=素人

ではなくなってきています。素人は素人なのですが、頭でっかちな素人です。僕もその典型です。
情報があるのである程度わかるわけです。ただ。それがどれだけ大変か面倒か、すべての情報が手に入るわけではありません。本質を知らなかったり、付随する細かいことを知らなかったり。

この微妙な感じが難しい。

伝える場合も、受けとる場合も。

ボロボロで、しっかりとメンテナンスができていない自転車を視て、今できることをやってくれたのかもしれません。ボロボロの自転車をみて、説明しても無駄だと思ったのかもしれません。

これ、僕ら鍼灸の現場でもありえるんです。

今ってカラダの事、痛み、病気のことはネットで色々なことがわかるので、患者さんのほうが詳しい場合もあります。

ご自身の病気や痛みに関して、色々な病院、治療所を受診していたり、徹底的に調べているので、知らない治療法を教えてもらったりすることもあります。

しかし、色々な情報をもっているけど、正確な情報を得ていなかったり、間違った治療をしていたりする場合もあります。

或いは、色々な治療をやったために、元の原因以外の場所も悪くり、重症化していることもあります。

患者さんも説明するのが面倒になっていて、聞いてもはっきり答えてくれない場合があったり、こちらが患者さんの意図する回答をできていなかったりする場合があります。

口ぶりから知っていると思っていたら知っていなかったり、知らないと思っていたら知っていたり。

口ぶりや表情、色々なことを注意しないといけないですよね。セルフジャッジせず、確認したり、こちらが迷うようであれば正直に聞いてみることが必要です。

上から目線にならないように、症状や体をしっかりと診るようにしないといけません。




大阪吹田-江坂駅の鍼灸院
BABA鍼灸北京堂大阪
吹田市豊津町18-4ウイニング・パラ江坂1B
電話:06-6821-3000





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