体の緊張
これどういう時に起こりますかね?
危険を察知した時、何かに集中している時、人前に出る時、目上の人と話す時、我慢している時、怒っている時、痛みがある時、疲れている時、寝不足の時、運転をしている時、仕事をしている時、ストレスがかかっている時、嫌な事をしている時、嫌いな人と一緒にいる時etc...。
要は体を使っている時、脳を使っている時になるわけです。
それやったら四六時中やん。まぁそうなんですけど、リラックスしている時は緊張はしませんよね。あとは寝ている時、寝転がってる時、一人でボォーっとしている時は緊張していません。
人間緊張が無くてもダメですし、緊張しすぎていてもダメなんです。難しいですよね。
最近、うちの治療所でも原因のよくわからない耳の疾患(耳鳴り、難聴、聴覚過敏)、頭痛、顔の痛み、肩こり、を訴える方が多いんです。
でそういう方に共通しているのが、上に挙げたような緊張している時が多くある方です。そういう時が多い方は、より体が緊張します。
全身が緊張しますが、緊張度が高い場所は人それぞれ違います。
背中がより緊張する人もいれば、肩、首が緊張する人、顔が緊張(強張る)する人など、わりと想像できる場所ですよね。訴える場所もわりとポピュラーな肩、首、背中だと、マッサージでもしてほぐしましょうかね~となります。
当然緊張しているのは筋肉ですが、筋肉というのは全身いろんなところにあります。以前にも書きましたが、筋肉の種類は違いますが、内臓も筋肉でできています。例えば、心臓なんかはわかりやすいですよね。そうですハツです。(笑)コリコリしていますね。
前置きは長くなっていますが、耳や顔も同じです。耳の奥には、鼓膜を引っ張る鼓膜張筋、耳管の近くにある耳管咽頭筋、口蓋帆張筋、口蓋帆挙筋など、細かい筋肉もたくさんあります。人によってはこういった筋肉が緊張して、耳の症状が出る場合もあるわけです。
じゃーどうするかです。
ここでも、北京堂の踏んづけた水道ホースからは水が流れない理論です。
詳しくは下参照
http://homepage2.nifty.com/pekingdo/godaisikkan.htm
鼓膜張筋(英語:Tensor tympani)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Gray907.png
リンクを見てもらえればわかると思いますが、こんな奥深くはさすがに直接アプローチできません。
耳周囲に行く血流改善をはかるのと、周囲を緩める、全身の緊張をとる、リラックスさせるです。
さきほどの筋肉を栄養している動脈は、頸動脈の枝です。首の緊張をとって頸動脈の血流を促進させます。あるいは椎骨動脈の血流を促進させて、脳血流を改善。
耳にアプローチできる神経への刺激、具体的には三叉神経の枝である下顎神経を刺激します。
具体的には、こんな感じです。
ごくポピュラーなツボだけを自分でうってみました。
これにプラスして、頚部の夾脊と側頚部の筋肉に鍼をうっていきます。
左から、翳風、聴宮、下関、夾承漿というツボです。
これだけだと、どこの治療院でもやっていると思いますので補足です。
翳風・・・奥に椎骨動脈があるので、刺して損傷しないように注意が必要ですが、鍼から伝わる感触をたよりに、5センチほどの深さに入れていきます。患者さんの反応を見ながら、刺すような鋭利な痛みはないか、響きはどうかなどを確認しながら入れていきます。奥で硬い筋肉に当たれば効果はいいです。
聴宮・・・前耳介動脈に注意しながら、少し口を開けてもらいながら入れていきます。狙いは外側翼突筋ですね。
下関・・・こいつも狙いは外側翼突筋です。なんでこいつを狙うかというと、食いしばりによって、額関節に力が入っている人が多いので、それを緩めるためです。
夾承漿・・・三叉神経第三枝が出てくる、オトガイ孔のある場所ですね。さっきの耳の筋肉はこの神経の作用なので、こいつを刺激しておきます。効果に関しては疑問なのですが、念のためです。
珍しくツボでお話してみましたが、首の筋肉をいかに緩めるかというところと、患者さんがいかにリラックスできるかというところですね。いびきをかいて寝るくらいになっていただければ、より副交感神経が優位になった状態なのでわかりやすいですね。もうひとつはストレスの発散です。患者さんの溜まってるものを吐き出してもらいます。(笑)これが意外に重要かもしれません。愚痴や話したい事を話してもらうとスッキリしますからね。ちょっとしたカウンセリングです。
もちろん、効果の見られない方もいらっしゃいますが、上のことがきっちりできれば効果は出てきます。こういった現代病が増えてきているな~と実感する毎日です。運動して痛めたとか、そういうのではありませんからね。
今日のmusic,,,"Pumped Up Kicks"@Foster The People