患者さんによく聞かれます。
誰が、体に鍼を打って病気を治療しようと思ったんでしょうね?
たしかにそうです。まさかですよね。コロンブス的発想です。痛みに対して逆に痛みを。う~ん凡人には考え尽きません。だから、最初は拷問かなんかで、鍼を刺して痛めつける予定が逆に病気が治っちゃったっていうのが、起源ちゃうかな~なんて思ってたんですけどね。
師匠のHPによると、中国の教科書では「人が山野を駆けまわって狩りしていた頃、偶然に膿んだ部分へイバラのトゲが刺さり、排膿されて楽になったため、故意に傷付けるようになったもの」とされているそうです。
膿を出す行為というのは、要は体が細菌と戦ってでたカスみたいなものですから、昔の人が体から毒や邪気が出て、病気が治ったと思うのは、ごく自然のことかもしれません。
また、瀉血といって痛みのあるところに針を刺して、血を出すことにより病気を治すという治療、東西問わず行われているものです。そういうものが起源と考えると中国が起源というのも考えにくいのですが、ようは後漢や戦国時代のころに体系だったんではないかということらしいです。
でもう一つ、師匠のHPにもありますが、北アルプスでアイスマンの発見による、入れ墨が起源というもの。これは1991年に北アルプスの氷河で発見された5300年前のミイラのことで、氷河にあったため当時の状態をそのまま残していたようです。詳しくは下参照。
アイスマンの記事
でこのアイスマンに入れ墨がされていたそうなのですが、装飾の意味合いでされていたわけでなく、治療のためにしていたんではいかというように言われています。これは、民俗学の先生が言っていることなんですが、その記事がこれです。
「鍼灸の起源を考える 吉田集而」
読んでいただければ興味深くておもしろいものです。民俗学から鍼灸を考えるというのもいいもんです。学生時代にちらっと民俗学もかじってますんで、ちとテンション上がります。(笑)
痛みのあるところに針をして、或いは傷つけて、血や膿を出し、そこに止血材として煤(すす)を塗りこんだということだというようです。
もちろん、入れ墨の全部が治療目的ではなかったようですが、そうすると入れ墨というのは古くから世界中で見られます。もちろん日本でも、見られます。
ただ、世界中でみられるのに、何で中国でここまで鍼灸治療が発展していったのかというのは、書かれていません。
う~ん何ででしょ?
ケガや病気に対しても容赦なかったんでしょうかね?(笑) しかし、凄い人達です。
何かを生み出したり、何かを変えたりってのは、ほんの些細なことからなのかもしれませんね。これ使えるやん!みたいなね。それを逃さないためにも、常にアンテナ張って治療に臨まないといけませんね。
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