それでは、前回の続きでストレスについて考えたいと思います。
ストレス対処には、把握可能感、処理可能感、有意味感が必要なのですが、今回は処理可能感について説明したいと思います。把握可能感は、置かれている状況を冷静に分析して行動する力のようなものでしたが、処理可能感は、「何とかなる」「自分ならできる」というような、自信を持った状態、或いは、何とかなる見通しを持っている状態です。
前回の把握可能感とも密接につながっていますよね。冷静に分析できているから、何とかなるでしょ!って思えますし、冷静に分析できているからこそ、これだったら自分でもできるな~と思えます。
山崎先生によると、処理可能感はどれだけ対処資源(対処する方法や仕方)を持っているかということだそうです。
過去の実績や経験がものを言うということですね。引き出しを増やせということです。例えば、治療に際して、今まで診たことがない疾患や症状だった場合、過去の経験という引き出しがないのですが、鍼灸の適応か否か、有効率はどうか、治療方法を知っているか、自分の手におえるものかどうか、などがわかれば対処できます。
或いは、自分で対処できない場合は、対処できるところを紹介する、病院や医療施設を紹介するということで、対処ができます。これが対処資源を持つということですね。
他の人に任せたり、紹介したりすることは、能力がないとか、他人をあてにしているというような、マイナスのイメージになりがちなのですが、ことストレスということに関しては、すごくいいことなのだそうです。
うつになる人や精神的につらい方というのは、なんでも自分一人で抱え込んでしまう人が多いようです。上に書いたようなマイナスのイメージがあるので、弱音を吐いたらダメとか、自分で何とかしないととか、あれもこれもとなっていくと、キャパオーバーになって爆発してしまいます。
上手いこと人を使うというのは、今の言葉でいうウィンウィンの関係って奴ですかね。(笑) 相手も心地よく、こっちも無理なくね。ただこれって非常に難しい。(笑) ある程度信頼がないとお願いできないし、なんでもお願いしていると嫌がられるしね。
ただ、身近な人というのは、意外に頼ってほしかったりします。言うてよ~ってやつですね。
山崎先生は、自分を愛してくれる人や大事に思ってくれる人、周囲が放っておかない状況にあれば、ストレスに対処できるとおっしゃってます。
医療の観点からいうと、痛みやつらさをわかってくれる人が回りにいるかどうかですね。家族やパートナー、友人などから理解されなかったら、それだけでも精神的ストレスは強くかかります。
もっというと、医師や医療従事者、治療家に、痛みやつらさを理解してもらえなかったら、もっと強いストレスになります。
最近では、SNSなんかで、同じ痛みやつらさで悩む人のコミュニティーなんかがあって、相談にのってくれたり、いろいろな情報を教えてくれたりします。実際にどうやって克服したとか、この症状の時は、こう対処したらいいとか、経験した人しかわからない視点で相談に乗ってくれたりしますので、自分ひとりじゃないとか、支えてくれる人がいる、なんとかなるんだというのを気づかせてもらえます。それだけでも、ストレスは大幅に軽減されます。
痛みやつらというのは、友人や知り合いに話しづらいものです。鍼灸院では、体のことを相談しながら、旦那さんや会社の愚痴、体に溜めてるものを吐き出してもらいます。体のツラさだけでなく、精神的なストレスが少しでも軽減されれば、治療としては御の字かなと思います。
次は有意味感ですね。また次回紹介したいと思います。
今日のmusic,,,"LUM no Love Song"@Clementine
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