2014年4月29日火曜日

敏感or鈍感




 敏感
感覚や感度の鋭いこと。またはそのさま。

 過敏
刺激に対して過度に敏感なこと。また、そのさま。

紙一重ですね。治療をしていても、これを実感することがあります。
治療後、治療中の変化に敏感な方。反応のいい方は、「痛いところが楽になってきました。」「硬くなっていたところが、ほぐれてきました。」「腰の治療をしているのに、足が温かくなってきました。」など、早い方は治療中に、こういった感想をおっしゃいます。

治療する側方としては嬉しいのですが、別に治療が上手いわけでもなく、単純に患者さんの反応が良かった、敏感だったというのがあるわけです。自分の力を過信してはいけません。

治療中は鍼の響きで何とも言えない。治療後の変化も感じない。逆にツッパリ感があるということもあります。これを鈍感といえるかというと、微妙な所です。

単に鈍感というのは、鍼をうっても何も感じない。ということになります。
響きを感じたり、ツッパリ感があったり、疲れが出たり、怠くなったり、逆に硬くなったりということは、鍼による体の変化を感じているということになります。なので、敏感に反応している証拠なんです

治療する側、治療される側、これをどうとらえるかです。効いているのか効いていないのか、回復に向かっているのかいないのか。

治る過程を知っている患者さんは、鍼も響いて、身体もだるくなって、ツッパリ感もある。明日は少し残るかもしれんけど、一日過ぎれば良くなるな~。って思えます。

何も変化や反応がなくても、体内に鍼を入れているので、目に見えない変化は必ずしています。それを感じるか感じないか。感じない場合は、そういうのを鈍感(念を押しますが、悪い意味で言っているわけではありません。)というのかもしれません。

何を言いたいかというと、治療に際しこの差がはっきり出た場合に、人間の体のもつ力にも驚きを隠せない場合がありますよ~ってことです。人間の治す力や回復力、凄いものがあります。

痛みが取れたり、動きが見違えるようになったり、相乗効果で顔色もよくなり、気分もよくなる。こういった良いほうの驚きをもっと増やしていきたいものです。

臨床出たての頃というのは、反応がなかったり、直後の変化がなかった場合に、すごく不安になったものです。経験が少ないものですから、治る過程なのか、何回必要なのか、効いているのかがはっきりとわからないわけです。

教科書通りにやってるけど、変化ないぞ~。俺の腕が悪いのか?鍼は効かないのか?治らないのか?

もちろん今でも悩む時もありますが、何日後に効果が出てくるとか、何回かかるとか、鍼灸治療で効果の出やすい疾患かどうかなどもわかるようになりました。

学校では、鍼の強度や治療回数、敏感、鈍感などの個人差までは教えてくれません。医師みたいに、卒業後の臨床での研修期間があればいいんですけどね。鍼灸の場合、受け入れ機関がないので、そういった機会すらないのが現状です。なんとか改善してほしいものです。

さて、この4月で横浜に来て、師匠から治療所を引き継いで5年になりました。5年もやっていると、再診の方もちょくちょくいらっしゃいます。

3,4年前に1回治療した人だったりするのですが、「前回は1回で治ったんでありがとうございます。」なんておっしゃっていただくと、やったことに間違いなかったんだと再確認します。

常に敏感に、対応していきたいものです。

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