医者は動いている身体を診断は出来ない。ハリや整体を受けても、普段の動きが間違っていればその場しのぎの治療になる。それでは、本当のリカバリーにならない。動きの中から客観的に診断をして、体のバランスや姿勢を考えた治療、トレーニング方法を考えていく。身についてしまった動きの悪い癖を取り除き、いい動きに変えていく。いわば、脳の回路を作り変える作業なんです。
これは、ハンマー投げの室伏広治が雑誌Numberのインタビューで答えていたものです。世間ではあまり知られていませんが、ぎっくり腰のような痛みに悩まされていた時期があるようです。
治療するものにガツンと響く言葉でもあります。本質をついているんじゃないでしょうか。鍼治療で状態が良くなっても、普段の悪い姿勢や、動きを改善しなければ、結局はその場しのぎになってしまう。
たまにですが患者さんにも聞かれることです。「じゃー自分でトレーニングしたり、気をつけないと根本からは治らないのですか?」
「えぇそうですね。悪い状態にあったものをいい状態にはできます。それを維持出来る人もいますし、その後も原因になる悪い動きや、姿勢をしていたら、同じようになるでしょうね。そのためにセルフケアが必要なんです。」
「やっぱりそうですよね。」
だいたいの方が、諦めモードな顔になります。結局はそれかいな~。という顔ですね。
病院、整体、整骨院、カイロ、マッサージ、どこに行っても、同じことを言われるわけです。つまり、それだけ重要ということなんですけど、わかっていても出来ないのが人間です。根気のいる事なので自分一人でやるには難しいんですね。
逆に言うと、出来ている人は、悪くなりにくいし、悪くなった時にどうしたらいいかということをわかっています。難しいから僕たちのような仕事が成り立つわけなんですけどね。
朝走っている時に、お年寄りと話をすると、10年前に坐骨神経痛になったけど、毎日運動して鍛えていたら、痛みやしびれがなくなった。なんてことをおっしゃいます。(笑)こんな人ばっかりになったら、商売あがったりなんですけど、理想はこれですよね。医療費も抑えられて、国も助かるとは思うんですけどね。まぁ抑えられたら、大変になる医療機関が出てくるのも確かなので、利権が絡むところはややこしいもんです。
患者さんだけでなく、治療する側も治療以外の部分でどういうふうにできるか、難しいもんです。
悪い姿勢や動きを、もとのいい動きに戻していくようなこともやっていけるようになっていかんな~と実感する今日この頃です。次のステージってやつでしょうか。奥が深いですね~。
0 件のコメント:
コメントを投稿