全国に北京堂のやり方をする鍼灸院が増えてきました。以前の記事でも書きましたが、弟子の数が増えたり、講習を受けた人が増えたり、見学者が増えたり、同じような治療の仕方をできる人が増えたからです。
この前、横浜でやっていたときの患者さんが、年末年始の帰省を利用して来院されました。
この方は、東京の世田谷区在住の方なのですが、横浜まで通われていました。それまで、他の東京の北京堂でも治療を受けたようですが、しっくりこなかったようです。
幸いうちの治療は合っていたようで、遠くから通っていただいてました。
ここで、言いたいのは他の北京堂より優れているとか、よく効くとかそういうことではありません。他の北京堂の先生も素晴らしい先生ばっかりです。
逆に僕の治療が合わず、他の北京堂の治療のほうが合う、よく効くという方もいると思います。他の鍼灸院からの紹介だと、治療法の違いだからというのがあるのですが、同じ治療、同じやりかたでは何でなんだ?という疑問が出てきます。患者さんからも質問されました。
僕も浅野先生から治療所を引き継いだときは随分と悩みました。
浅野先生も
「同じやり方ををやっているのに、どうして治らないんだろうな~?」とおっしゃっていました。
そりゃ経験値が違うから、微妙に違いますよと言っていたのですが、それだけではないのは間違いありません。
よく治療は技術だけでなく、その先生の問診や触診、会話、雰囲気、性格や人柄など、トータルで治療と言われます。
人によっては、先生のところに来ただけで、それだけで安心してよくなるなんて人もいます。
人間と人間ですから、僕と患者さんの波長のようなものが合う人と、そうでない人は違うと思います。まして鍼灸は、肌を見せて、体内に鍼を刺入するので、初めての方は特に、ある程度の心構えでいらっしゃるでしょうから、そういった人間的に安心できるとか、信頼できるとか、波長が合うというのは大きいのではないでしょうか。
子供の頃、お腹が痛くなって母親にお腹をさすってもらう、それだけで痛みがとれなことありませんか?
あれは体に備わっている痛みを和らげる機構を利用しています。脳から痛みを抑える物質が沢山分泌されます。
これも、嫌いな人にさすられるのと、好きな人にさすられているのでは、痛みを和らげる機構の働き具合に差がでます。
信頼のおける先生、安心できそうな先生にやってもらったら、技術や治療にプラスαされるので、より反応はいいはずです。それらは、患者さんそれぞれの感じ方なので、どういったタイプがいいというわけではありません。
・淡々と治療に徹する
・話をしもって治療をする
・患者さんの要望に応える
・痛みを取ることを優先
それらは、患者さんそれぞれの感じ方で、どういったタイプがいいというのがあるでしょうから、どれがいいというわけではありません。
経験値の多さも大きく関係します。臨床数が多いにこしたことはありません。色々な患者さんを診ていると、引き出しの数が違います。
例えば、うちの治療で代表的な大腰筋刺鍼。腰痛に効果的です。
ただ、これをすればどんな腰痛でも治るのかというと、そうではありません。あくまでも大腰筋の緊張が強く、痛めている方に効果的なだけです。
腰痛の患者さんが来て、実際に大腰筋が悪いことを見極め、さらに大腰筋にどの角度、どの深さ、どの場所、どの鍼、本数。色々考えないといけません。
経験値があるないでは、これらの加減が変わってきます。適度なものを選択できるようになってきます。
また、患者さんの反応をみたときに、こういった反応の時はこれぐらいにするとか、もう少しぐいぐいする。強めに刺激をする、弱めに刺激をする。そういった考え方は、先生それぞれで違います。
そういった微妙な違いが、先生によって違うんじゃないかと思います。
・経験値
・人として合うかどうか
・治療に至るまでの、やりとりなど。
・安心感、信頼感など
トータルな面での違いです。同じ治療同じ鍼をやっても、微妙な違いが出ます。
ただそういった違い、気づきを、素直に言ってもらえるようにしたいとは思っています。患者さんが思っていること、不安になっていること、気になることを言えないというのはツライと思いますんで、言い易い雰囲気は作っておきたいと思います。
大阪吹田-江坂駅の鍼灸院
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