2020年5月2日土曜日

感覚


視聴時間は約13分

鍼をする際に、初めての人は注射の針を想像しているので、鋭利な痛さを想像しています。

実際に刺鍼すると、チクッとした痛みではなく、中に入ってきたときの重たい感覚、ズンと押される感覚、ズキンとくる感覚を感じます。


思っていた痛みと違いますね。


そういった感想を聞きます。
医師や看護師の患者さんもいらしゃいますが、驚かれることも少なくありません。

鍼の刺鍼は、切皮と言うのですが、痛みが出ないように様々な工夫がされています。

・押手(おしで)
皮膚の上に押手を作り乗せます。これにより圧迫刺激が加わります。



・鍼管(しんかん)
鍼の筒を皮膚につけます。上と同じ圧迫刺激です。当院では、ステンレスの鍼管を使用しているので、冷感も感じます。

・トーク
初めての患者さんに鍼をするときは、必ず話ながら鍼をします。これ結構重要です。(笑)無言でやると、患者さんの全ての意識が鍼に集中するので、より敏感になってしまいます。それを防いでいます。


要は鍼の刺激だけにしないということです。一つの刺激だけだと、そればかりに集中してしまいます。色んな刺激・感覚を、患者さんの脳にいれることにより、鍼自体の刺激を薄めていると思っていただければいいと思います。

だから最後のトークは重要なんです。
症状が強くて鍼の刺激が強く感じる人の中には

鍼で話に返事できない。

なんておしゃる方もいますが、話しかけることにより、或いは返事が必要なことをお聞きしたりしながら、鍼施術に集中させないようにしています。

黙っていたら、鍼、今からくる、痛い、どんな痛さ、チクってくる?大丈夫、きた、痛い、あぁやっぱり痛い。

こういうことをなくすためです。

これらをやっても難しい場合もあります。それは、皮膚表面が硬い人です。

・皮膚表面の硬さ
皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、吹き出物、脂肪の塊、ガングリオンなど)傷痕、手術痕、年配の方。

これらの方は、皮膚表面が硬い方が多いです。深く鍼をしない鍼灸師は問題ないかもしれませんが、筋肉をターゲットにしている私は少々大変です。表面の硬い部分を通り越さないといけません。表面が悪いわけではないのに硬くなっている。どうするか。

①太い鍼を使う
②捻鍼(鍼を回旋させながら刺入)する
③垂直に入るようにする
④切皮時に皮膚を貫く

こういったところです。

①の太い鍼を使うが手っ取り早いのです。がしかし、痛いのです。硬いわけですから、抵抗があります。なので痛い。
かぼちゃを想像していただければわかりやすい。ペティナイフよりデカい包丁で、バスっとやるほうがいいですよね。

②の回旋させながらは、かぼちゃを切るときにくねくねとてこの原理を利用しながら切るあの要領です。時間はかかりますが着実に切れます。
鍼も同じです。千枚通しのように回旋させると、時間はかかりますが着実に深く鍼が入っていきます。

③垂直にというのは、基本中の基本です。鍼をまっすぐ入れる。これが一番なのですが、けっこう難しい。鍼にうまく指の力を伝える。握り方、力の入れ方、角度。

ゴルフをやる方は、イメージがつきやすい。
水平な練習場やティグランドだと打ちやすいですよね。
それが、傾斜のあるフェアウエや芝の長いラフ、はたまたバンカー。

鍼も同じで、人の体は水平じゃありません。水平な場所ありません。真横でもまっすぐ鍼を入れれないと、スムーズに入っていきません。

④切皮で皮膚を貫く
これも、基本ですね。鍼筒という筒から、鍼が少しだけ出ていますが、そこを叩いて刺入します。この際に、私のように一回でバスっとやる場合もあれば、ちょんちょんと少しづつ入れていく人もいます。
この時にいかに貫けるかが肝になります。ここを貫けないまま、指で入れると、なかなかその先に進みません。皮膚は敏感なので痛みが出てしまいます。

こんなことを意識しながら、刺鍼しています。

大阪吹田-江坂駅の鍼灸院
吹田市豊津町18-4ウイニング・パラ江坂1B
電話:06-6821-3000

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