元横綱稀勢の里が、自身のケガについて語っていた記事がありました。その中で、自身がなぜケガをしたかがわかってきましたとおっしゃっています。
「それは、稽古のし過ぎです。人間の体にとって必要な、休養の重要性をわかっていませんでした。私は1年365日、基本的に稽古を休まない人間でした。それが強くなる唯一の道だと信じていたのです。ところが、場所前と場所後にエコーで筋組織を調べてみると、場所が終わってからは、1ミリか2ミリほど、筋肉が削れていました。
稽古をすればするほど強くなれると信じていた自分にとっては衝撃的な事実でした。やればやるほど負担も大きく、筋肉が痩せていく。私に必要だったのは休養だったのです。
そうした基本的な人体の知識さえ知らず、土俵の上で戦っていたのが私の土俵人生でした」
ごくごく当たり前のことです。スポーツをやる皆さんも、何をいまさらと思うかもしれません。けど、これを当たり前にできるって難しい。
スポーツや競技が好きであればあるほど難しくなります。寝る間を惜しんでといいますが、寝ても覚めてもそのことばかり考え、上手くなりたいと思ったら、自然と体を動かしてしまいます。
やればやっただけ上手くなる。
練習をしておかないと不安になる。
体が衰えるんじゃないか。
体が硬くなるんじゃないか。
他の人はもっとやっているんじゃないか。
休むことは、サボっている、怠けている、自分に甘いから。
そんな風に思うからかもしれません。学生時代はスポーツをやっていたので、その気持ちはもの凄くわかります。毎日、家に帰ってからも走っていました。笑 うちの鍼灸院にもそういう患者さんがいらっしゃいます。
筋肉が削れたり
腱が損傷したり
軟骨が損傷したり
時間が経過したら回復すると思っているかもしれませんが、残念ながら回復しません。自分で自分の体を大事にしないといけません。
こんな話をすると、患者さんはいらっしゃらなくなります。鍼灸院にそんなことを言われるために来たんじゃないと。
鍼灸で痛みがとれると、今まで以上にスポーツや競技をやるようになります。
なんかあったら先生のところに来たらいいんで。
と言われるようになります。ジレンマです。痛みを何とかしたい、パフォーマンスアップの助けになりたいと思う反面、やったらやった分だけ痛めてしまう。
施術=休息
ではありません。そこを再度考えていただきたいです。
日曜日は大阪マラソンですね。マラソンは競技の特性上なのか、練習し続ける人が多いように思います。休息とうまく付き合ってほしいですね。
うちの鍼はスポーツをやる人と相性がいいので、なおさら思います。