youtubeで、以前テレビで取り上げられていたイチローの練習の一場面の映像を観ました。
練習で、的になるネット目がけて240球投げていました。イチロー曰く240球も投げれば、体に何らかの反応がでてくると。疲れやはり、痛み、或いは硬さなどでしょうかね。
それが、人と話ながらやった時は、そういう体の反応が出なかったそうです。
イチローは、何かが分散する。というような表現をしていました。
イチローの練習の動画 2:40あたりからみてください。
例えば、うちにいらっしゃる患者さんでも、痛みを過敏に感じたり、強く感じたり、実際には痛みがなくても痛みの回路が出来上がっているために、通常では感じない痛みを感じてしまうというような方もいらっしゃいます。
或いは、耳鳴りを感じる方、最初は筋肉の緊張や血管の拍動、耳自体の異常なんかで耳鳴りを感じていた方が、そういった耳の異常が落ち着いても、耳鳴りを感じるようになる方がいます。それは意識が耳鳴りに集中しすぎてしまっているからです。耳鳴りというのは正常な方でもあります。音の全くない静かな部屋にいた場合、キーンと音を感じたことはありませんか?寝る前、布団に入ってボーっとしているとき、感じたことありませんか?普段、日常のいろいろな音を聞いていると、そういった元からある音は感じませんよね。人としゃべっているとき、音楽を聞いているとき、耳鳴りはかんじませんよね。もしそういうときでも感じる場合は、早めに耳鼻科に行くか、鍼灸院にいくかしたほうがいいです。
例えで大きくそれてしまいましたが、上の二つの例は、意識が集中しすぎてしまっている、集中せざるを得ない状況になってしまったために起こっているとも考えられます。それを考えると、イチローの言っている意識の分散というのは、人間に備わった防御反応なのかもしれません。
初診の方で、鍼を怖がっている方の治療の際は、鍼をうっている最中も患者さんに多く話しかけるようにしています。或いは、喋ってもらうようにしています。これも意識を分散させるためで、鍼の痛みや響きに患者さんが集中しすぎないようにしています。そうすると痛い治療もまぎれますし、患者さんがしゃべることにより、体もほぐれやすくなります。うちの治療は置鍼が40分と長いので、そういった場合は置鍼中もなるだけ話をふります。
わりと通っている患者さんは、それを身を持って知っているから、僕がしゃべらなくても治療中しゃべり続けています。身をもって分散させています。(笑)
意識を集中して、研ぎ澄ましてのめり込むことも必要かもしれませんが、それが続くと体は疲労して、それ以上はやめてくれ~と訴えてきます。トレーニングや勉強、仕事、なんでもそうかもしれませんが、適度に意識を分散させながらやると、案外いい結果がでるのかもしれませんね。
ただ男はこれが苦手ですよね。(笑) 女の人と違い、男の脳は何かしながら他のことをするような構造ではないですからね。実際僕もダメです。このブログを書いている最中も、本来なら音楽でも聞きながら、やいたいんですけどね。集中できないので、音楽は聴いていません。
皆さんはいかがですか、集中しすぎていませんか、うまく分散できていますか。
動画の音楽を聴きながら、ブログの記事は集中できますか?(笑)
今日のmusic,,,"I Don't Feel Like Dancin'@Scissor Sisters