鍼って刺すときのほうが痛いと思っていましたけど、
意外と抜くときのほうが痛いのですね。
たまに、患者さんからお聞きする言葉です。
イメージから、鍼というのは、刺す、チクッ、痛い。こんなイメージが強いのではないでしょうか。或いは、注射のイメージですね。刺した時に感じる痛みのイメージが強い。
うちの鍼を受けた方はご存知と思いますが、チクッとした鋭利な痛さというのは、ほとんどありません。体の深部で感じるズキン、ズシンとくる感覚です。
これを痛いと思うのか、気持ちいと思うかは患者さんによって違います。
僕自身の感覚としては、それそれ、そこそこというような感じです。(笑)謎ですかね。
本能として、そこ効いてるな~、当たってるな~というな感じです。しっかり当たっていればですけどね。
一方、鍼を抜くときに痛いと感じる。
これは何ででしょうか?それは、うちの治療の特徴からくるものです。いわゆる刺さない鍼、痛くない鍼、浅い鍼では、これはあまり感じないのではないでしょうか。
うちの特徴の一つである、深部筋肉への刺鍼。
これが、抜くときに痛いと感じる要因となっています。ではなぜ深く鍼を入れていると、抜くときに痛いと感じるかです。
手を切った場合、手の表面で痛みを感じますよね。皮膚面です。
皮膚表面には様々な受容器があり、外部からの刺激を感じ取り、危険か安全か、いいものか悪いものかを判断して、脳に指令を送っています。
痛み
熱い
冷たい
かゆい
ちくちくする
こそばい
圧迫されている
つねられている
皮膚は、センサーの役割をしているわけです。そのため皮膚は非常に敏感です。
鍼灸師は、これらのセンサーに探知されなように、色々な工夫をしています。それは、先人の鍼灸師が残してくれたものなのですが、日本人の特性といいますか、思いやりが詰まっていると思います。
例えば、触診(しょくしん)
患部に直に触れて、筋肉の状態を確かめ、正確な刺入ポイントを探します。治療者が直接皮膚にふれますので、圧迫のセンサーだけでなく、温覚のセンサーも働きます。
押手(おしで)。
鍼を打つ際に鍼管を支える手のことを言いますが、単純に鍼管を支えるだけではありません。鍼を打つ前に、皮膚に触れることにより、圧迫のセンサーが働きます。
鍼管(鍼管)
筒を用いて、鍼を打つことにより、正確に真っすぐに刺入することが可能になります。また、筒が皮膚に圧迫されているので、圧迫のセンサーも働きます。
また、鍼を打つ際の会話。患者さんがリラックスするだけでなく、皮膚に意識が集中しないようにするためのテクニックでもあります。
このようにして、痛みのセンサーが敏感にならにように、様々なセンサーを作動させます。人間の脳は繊細な部分と、アバウトな部分を併せ持っています。同時に沢山のことを処理できないようになっています。
なので、鍼を刺すときはあまり痛くありません。
さて本題の抜くときに何故痛いことがあるか
①緊張が続き筋肉が緩んでいない
②痛みで力が入りっぱなし、鍼の刺激で打つ前より緊張している
③抜く際に鍼が皮膚表面を引っ張られるため、敏感な受容器が感じてしまう
④体の中の鍼の面積が大きく、抵抗があるため
①②は何となくイメージがつきますよね。筋肉が鍼を締め付けているので、抵抗がある。
③鍼を入れる際は、先端が鋭利なので、敏感な表面を早く通過します。なのであまり感じません。
抜くときでも、皮膚表面にしか刺さないようなはりでしたら、感じることなく抜けます。しかし、当院のような深層に鍼をする場合、筋肉が緩まっていないと、早く抜こうにも抵抗があり、どうしてもスピードが落ちます。そうすると敏感な皮膚表面にさらされる時間も長くなります。そうすると、痛みを感じる受容器も発動され、脳に指令を送ります。
④は、面積が大きくなればなるほど、より感じます。③とリンクしますが、皮膚表面の敏感なところに当る時間がながくなればなるほど感じます。
とまぁ、初めての人にとっては、恐さを助長するような説明になってしまいました。
なってこったいです。
ウトウト気持ちよくもなれますので、是非お試しを…。
大阪吹田-江坂駅の鍼灸院
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