北京堂では、治療に使う鍼の数が、一般の鍼灸院と比べて非常に多いです。多い方では100本以上使う場合もあります。
受けるほうも、やるほうも大変です。
今は当たり前ですが、初めて浅野先生の治療を見たときは、何本打つんやろ?とびっくりしたものです。
なぜびっくりするかというと、学校ではそんな治療の仕方を教えてくれないからです。むしろ、やってはダメなくらいです。(笑)
鍼の本数が多すぎると、刺激量が強くなりすぎるので、患者さんに負担のかからない少ない本数にしましょうというのが教科書的なものです。
刺激量が強いと、気分が悪くなったり、眩暈がしたり、症状が強くなったりします。なので、沢山の鍼を打つことを推奨していません。それを真っ向から否定する治療なので、驚かないわけはありません。
鍼の本数が少ないと効果がないでしょ?
鍼が痛くないと効かないでしょ?
浅野先生がさらっと言っていました。
では何で鍼の本数が多いの?ってところです。
「悪いところを根こそぎ治療する。」
言い方が悪いですね。北京堂では、治療原則として、天地人取穴というのをします。
天=体幹
地=体幹と末梢の間
人=末梢
例)坐骨神経痛でお尻から足にかけて痛みやしびれがある。
こんな時、どうするかというと、坐骨神経痛の際に悪さをしている場所を考えます。
天=腰(大腰筋、脊柱起立筋)
地=お尻(梨状筋、中小殿筋)
人=ふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)
この全てを治療するので、鍼の本数が増えるわけです。もちろん、天=腰(大腰筋、脊柱起立筋)だけの場合もあります。
治療が初めての人や緊張している人、痛みに弱い人、弱っている人などには、がっつりやることはありません。
もっと詳しく知りたい方は、浅野先生のHPをご覧になってください。字ばっかりで読みづらいですが、リンクのページの真ん中あたりに書いてあります。
ただ、はり治療をしたことがある方はご存知だと思いますが、本数が多いと患者さんも大変なんです。治療後のだるさや疲れが半端ないので。ダメージが大きい。
注)痛みというと鍼治療を受けたことがない方は、注射のような鋭利な痛さを想像するかと思いますが、鍼治療の痛いというのは、ズーンとかズキーンとか、鍼が刺さる痛みよりも、体に入ってから感じる何とも言えない感覚というものです。
わからない方は申し訳ありませんが、一度体験してくださいね。
ということで、日々葛藤です。少ない本数で患者さんの負担が少なく、よくならないか・・・。
鍼の本数を減らしてみたり、鍼の太さを細くしてみたり、いろいろ試していますが、それで効果が出る場合もあれば、効果が半減する場合もあります。そのせいで浅野先生には、馬場は手を抜いているなんて言われます。(笑)
本数だけではありません。鍼の太さや、刺鍼の深さなど、より精度を高めて、最小限の刺激で最大限の効果を発揮できるようにしないとあかんな~と思っています。
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