facebookで、知り合いの鍼灸師がシェアしていた記事でこんなのがありました。
「開業後の鍼灸師の成功率を聞いてみても良くて3%程度といわれています。それも食べていけるだけ成功する鍼灸院が3%程度で、 本当に大きくなっていく鍼灸院になると1%にも満たないかも知れません。」
学生や免許を取り立ての鍼灸師向けの経営セミナーの記事でしたが、ほんとにそうなんでしょうかね?
| 平成10年 1998年 | 平成12年 2000年 | 平成14年 2002年 | 平成16年 2004年 | 平成18年 2006年 | 平成20年 2008年 |
就業はり師数 | 69,236人 | 71,551人 | 73,967人 | 76.643人 | 81,361人 | 86,208人 |
就業きゅう師 | 67,746人 | 70,146人 | 72,307人 | 75,100人 | 79,932人 | 84,629人 |
はり・きゅうを行う施術所 | 13,455 | 14,216 | 14,008 | 14,993 | 17,794 | 19,451 |
あん摩等並びにはり・きゅうの施術所 | 31,434 | 32,024 | 32,722 | 33,601 | 34,517 | 35,808 |
合計施術所数 | 44,889 | 46,240 | 46,730 | 48,594 | 52,311 | 55,259 |
開業率 | 64.83% | 64.62% | 63.17% | 63.40% | 64.29% | 64.09% |
(治療院開業.comより引用)
食べていけるだけ成功する鍼灸院が3%というなら、あとの97%は食べていけないということです。だとしたら、ものすごい数字ですよね。皆さん廃業しているのでしょうか?
それでも、数としては年々増えています。廃業する数も多いが、開業する数のほうがもっと多いということでしょうか?企業統計を見てみたのですが、いまいちわかりにくいんですよね。あん摩マッサージ、はり・きゅう、柔道整復師が一緒のくくりだったり。
ネットで検索すると、鍼灸師の年収や仕事の状況など、ネガティブなものが多く出てきます。上の文章にもあったように、成功する人は数%といったものや、ごく一部というものです。しかし、どれくらいの人が廃業しているというデータは出てきません。そういったことを言っている人は正確なデータを持っているのでしょうかね。
かといって鍼灸師を取り巻く環境がいいわけではありません。
学校を出たほとんどの鍼灸師は、整骨院や病院、リラクゼーション施設でマッサージをしたり、介護施設で介護のお手伝いをしたりといった具合ではないでしょうかね。ただそれは、どの業界も一緒ですよね。
だから上の表の開業率は意外に高いな~というのが正直な感想です。
業種限らず、商売をやっているところで余裕を持ってやっているところというのは、ごく一部なんじゃないでしょうかね。みなさん試行錯誤して、地道にやっていると思います。
さて、鍼灸の治療に目を向けてみると、ツボは統計学だというのを学校で教わりました。偉大な先人達の臨床の積み重ねが、ツボになり、こういった時はこの場所に鍼をする。違うときはここにするといった、その小さな積み重ね、データが今ある治療法やツボになっています。
臨床で患者さんの体と向き合っていると、治療効果が上がらないときもあります。最近の病態が変わってきているというのもありますし、その統計をうまいこと使いこなせていないということもあります。
逆に統計通り!みたいのときもね。そんなときって、意外にすぐ忘れるものなんですよね。(笑)やっぱり、うまくいかなかったり、試行錯誤した時のほうが頭に残っています。
今日のmusic,,,"Best Day of My Life"@American Authors