90歳近くになる夫婦の家に往診に入っているのですが、この前予約の際にこんな話をされていました。
「主人が最近、気持ち悪い、気持ち悪いっていうんです。お医者さんを呼ぶっていってもたいしたことないからいいって言うし、困っているんです。」
「熱とか血圧なんかはどんな感じですか?」
「介護の先生が来てくれたときに、脈拍、体温、血圧など全部計ってもらったんですけど、どれも以上はありませんでした。」
「気持ち悪い以外に、頭痛とか、胸が痛いとか、そういった症状はありますか?」
「特にないみたいで、ヘルパーさんや、リハビリの先生に来ていただいたときは、元気にやっています。けど、1ヶ月ほどそんな感じなんです。」
「お医者さんには診てもらっていないんですね。この時期考えられるのが、熱中症なんです。もしかしたら、その兆候かもしれませんし、何にしろ、早く医師に診てもらった方がいいですよ。」
そんな電話があってから、往診にいったんです。
問診してみると、気持ち悪いというのもないようで、比較的お元気に話もされています。呼吸数、や脈拍を診てみても、正常範囲です。
ただ、やっぱり室温が高い。
老人特有の問題でもあるのですが、温度を感じる感覚が鈍くなっているので、少々の暑さでは暑いと感じなくなります。
皆さん、ニュースを見て、「なんでそんなに老人は熱中症になるの???」と思ったことありません?
クーラー点けて、水分摂ってたら大丈夫やん。
そりゃそうですよね。けど、それは、ちゃんと暑いと感じてるから、そう思えるんです。というか自然にできるんです。汗もかきますし、暑いと不快に感じるので、そういった対処をすることができます。
しかし、ある程度年齢を重ねると、温度の変化を感じにくくなります。夏でも毛布で寝ていたり、コタツがあったり。
気温が30度でも暑いと思わない、むしろ丁度いいと感じる方もいらっしゃいます。
両親や祖父母の部屋を暑く感じたことはありませんか?
そういった場合どうするかです。
暑いと感じない方に、暑くなったらクーラーを点けるようにといってもダメということです。
・温度・湿度計を置いて、客観的な数字を示す
室内の温度が28度以上、湿度が60%を超えるようであれば、クーラーを点ける。
自分で暑いと感じていなくても、これを超えたら、或いは予報で超えそうであったら、あらかじめクーラーを点けておくといいでしょう。
も一つ問題点
・クーラー=健康に悪い
なぜか、年配の方に根強くあります。
「体に悪いから、クーラーは点けない。」
と自慢する方もいらっしゃいます。これは、昔の温度調節ができない、ききっぱなしの冷房のイメージがあるんじゃないでしょうかね。
後は、テレビの影響でしょうかね。これが悪い、あれが悪いと、特集します。こういったのを真に受けてしまうのがあるんじゃないでしょうか。
もう一つ
・クーラーの使い方をわかっていない。
先ほど、言ったのとリンクするのですが、昔は温度調節のできない効きっぱなしのクーラーでした。それだと、夜中に極寒になるなんてことは、私の小さい頃にもありました。
ただ今は、人間より賢くコンピュータ制御されています。自動にしていれば、一般的な最適な温度を保ってくれます。
温度が高くなりすぎないように、或いは低くなりすぎないように制御してくれます。
実際、このお宅のエアコンの設定温度を見ると、22度に設定されていました。(笑) そりゃ寒いです。
・部屋に温度・湿度計を置く
・クーラーの使い方を把握し、設定温度を高めにして、点けっぱなしにしておおく。
この2点に気を付けてもらえれば、この夏は心地よく乗り切れるんではないでしょうか?
続きは、熱中症の初期症状について書いていきます。
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