鍼のうまい下手はやっぱりセンスですか?
患者さんに聞かれることがあります。
鍼灸を長年やっていると、やたらと褒められる時があります。自慢でも何でもありません。鍼灸師であったら、ほとんどの人が経験すると思います。
まぁ、やたらと褒める患者さんは要注意!というのは、鍼灸師あるあるです。(笑)
それはさておき、鍼の上手い下手について、お話したいと思います。
センス=才能
手先が器用だからセンスがあるかというとそうでもありません。センスを獲得するために、いかに場数を踏めるかが鍵になってくると思います。
例えば、練習は大事ですが、試合をやらないとセンスは磨かれません。試合の緊張感があるから、練習でそれを復習する、或いはイメージする。
鍼灸も同じで、臨床の場数を踏まないと上手くなりません。お金をいただいて、患者さんの期待に応える。満足してもらう。
ヒリヒリとしたプレッシャーを感じないと、ここはこうしよう、もう少し攻めるのかどうか、もっとスピーディーに、文字通り必死にならないといけません。
上手くいかないことも多くあります。症状に変化が出ない。痛みが取れない。
何でなんだ、ここがいけないのか、もう少しこうしたほうがいいのか、他の方法はないのか、悩んで考えて思考錯誤することによってわかることが沢山あると思います。
場数を踏んで鍼をする回数を増やすこと
これは、勉強会をしたときや鍼灸の学生に話す機会があるときに、必ず伝えることです。場数を踏まなくてもやれる人はすごい。
①
最初は偶然でも、うまいこといって、それにより沢山の人を施術できるようになり、それでさらに磨かれる。
↑↓
最初に偶然上手くいって天狗になり後で痛い目をみる
②
最初に挫折して、悔しくて、それをバネにして頑張る。
↑↓
最初に挫折して、自身をなくして、そのままどん底に陥る。
もともとの性格やタイミング、それぞれあると思いますが、頑張れるやつはどんな状況でも頑張れるわけです。
さて、自分にセンスがあるのかというとですが、謙遜でもなく、ないと思います。
センスがないから、勉強しますし、陰でコソコソと何かをやっています。
0か100で考えると、絶望するかもしれませんが、平均点の少し上にして、自分のストロングポイントを足せば、そこそこの数字になるんじゃないかなと思っています。