仕事柄スポーツ選手のコンディショニングに興味があります。
何をやっているかや方法はもちろんですが、どういう考えでやっているのか、心情やメンタルなどの部分も気になります。
ケガをしたとき、痛みがあるときにどうしている。復帰までのモチベーションなど、本人にしかわかりません。
運動したい、競技をしたい患者さん。
患者さんは、競技をしながら治してほしいと望みます。運動強度を下げずに治してほしいと。
しかし、難しい。日々この戦いです。
「Number971 カズの秘訣。サッカーベテラン特集」に興味をそそられたので思わず買ってしまいました。
記事では、川崎フロンターレの中村憲剛選手、175㎝、66㎏と華奢な体ですが、ケガや痛みはあまりないと言っています。
「日ごろのケアには時間をかけています。痛くなる前にしっかりとやっておく。痛くなってからじゃ遅いですから。フィジカルで勝負できるタイプじゃないから、余計に気を使っていました。まぁ、いいか、という日をできるだけつくらないように。」
「つまるところ、全ては自分に跳ね返ってきますからね。」
スポーツ選手に限ったことではありません。一般の私たちにも当てはまることです。
「まぁ、いいか」
スポーツ愛好家の方は、練習に対しての「まぁ、いいか」は少ないのですが、コンディショニングや体のケアに対して「まぁ、いいか」の方が多いのです。
練習や試合前のアップはやっても、クールダウンはしない。練習をして筋肉を疲労させてカチカチにさせるのに。
ストレッチやマッサージ、鍼などで、筋肉を緩めていい状態にすることは疎かになる。休めることに対して疎かになります。
皆さんもわかっているので非常に難しい。
ただ、「まぁ、いいか。」
の比率が高くなってしまうのは間違いありません。
他に、ガンバ大阪の遠藤保仁選手がケガのことでこんなことを言ってらっしゃいます。
「小さなケガは誰にでもあるし、”ケガは友達”ってよく言っています。試合をやりながら治していく感じなんですかね。だけど(ケガで)今8割しか出せないのに、無理して10割出そうとしたらひどくなる。その8割が今の10割だと考えます。」
この無理して10割出そうとしてしまうんですよね。8割でいいのに。
運動する人は、休むこと、手を抜くことの罪悪感が強い。
上手に休む、手を抜くことが重要だと思います。学生時代の自分も手を抜くことがなかなかできませんでした。罪悪感が強すぎてね。(笑)
指導者は、出てきている以上10割を求めます。
だから、自分は今これぐらいの状態で、これぐらいしかできませんと言うことも重要だと。言えない幼い年代だと指導者がそれを把握しないといけないと思います。
ついつい患者さんの背景や心情を考慮してしまいます。それが、結果的に患者さんの選手寿命を短くする場合があります。プロになりきれていない自分の甘さを痛感します。
考えさせられますね。
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